やっぱり

夕方、どこからか車をブンブンふかす音が聞こえてきた。
あら、どこかで埋まってるんだな…と思っていたら、
205から帰るコール、あら今日は早いのね…と外を見てみると、
裏で営業ナンバーのワゴン車が運転席側を雪壁に突っ込んでいる。
あら、これは大変!とタイミングよく205が帰ってきたので、
「助けに行っておいで!」と送り出す。
上から眺めていると、ワゴン車の運転手が助手席から脱出し、
雪かきをしている裏のじいさんに頭下げながら何かを言っている。
そしてじいさんが何かを言っている、あきらかに文句を言っているように見えた。
どうもこのじいさん、くせものっぽい、前にも誰かともめてるのを見たことがある。
205が登場し、牽引ロープで引っ張ってみるが、うまくいかない。
そのうち、205の車まで埋まってしまった。
だめだこりゃと、実家に電話し父ちゃんに来てくれと頼む。
父ちゃんの車はサファリ、馬力が違うのだ。
その間、裏のじいさんは、ただ雪かきをしてブツブツ言っている。
手伝いもしない、その息子も同じく。へんくつ親子だ。
父ちゃんが登場したが、まず雪壁を削ることをしないと脱出できないのだ。
総出でスコップを持って雪かき。
それでも、へんくつ親子は手伝わない、口だけ動いている。
30分以上かかって、205が脱出した。
あとは父ちゃんのサファリがワゴン車をあっさりと引っ張り脱出。
結局、1時間半かかってしまった。
見てしまった以上助けないわけにはいかない、それが人ってもんだと思うのだが、
裏の親子は「あんた何者だ」「ここは私道なんだ!勝手に埋まってるのが悪い」
「こんなに穴だらけになったら、うちの車が埋まるだろー」
だのなんだの、205は黙って聞いていたらしい、kalutがいたら間違いなくキレテたねと言われる。
おかしなじいさん、変な親子と思っていたが、思ったとおりの人種だった。
ワゴン車の運ちゃんは、じいさんにぎゃーぎゃー言われるし、
車は出ないしで目がウルってたらしい。
あの運ちゃん、今日は人間のいろんな面を知っただろう。