2年半

気がつくとそんなに放置しておりました。
存在すら忘れておりました。
ブログの書き方も忘れております。


激動の2年半を少々語ります。


最後に書き込んだ2ヶ月後、息子(犬)がお空に旅立って行きました。
14歳と4カ月とちょっとの生涯を終えました。
看ていてくれていた姉から「もうだめだ」と連絡があり、号泣しながら「帰らせてください」と会社を抜け出し、
どうやって車を運転したのかも覚えておらず、家に着いたときは息を引き取った直後でした。
まだ温かいのに、そこには命の鼓動はなく、ただの物質になってしまっていました。


まだ実家にいたころ、近所の老人ホームで飼われていたワンコが産んだ子犬7匹の里親探しをビラを見て、
すぐに見に行きました。運命的なものを感じたのでしょう。
もうすでに里親が決まって、残っていた3匹の中から選ぼうと、コロコロとまるまるした子犬を眺めていたら、
奥からもう1匹、他の3匹と比べて体が小さく、しっぽがガラガラヘビのように傷ついたオスが出てきました。
職員さんの話によると、6匹で終わりだと思っていたら、数時間後にもう1匹生まれているのを発見したそうです。
生まれたときから体が小さく仮死状態だったので、職員さんたちが日替わりで連れて帰り看病し、
やっと回復して小屋に戻したけれど、他の兄弟より体が小さくて負けてしまい、あまり母犬の母乳も飲めず、
ご飯もありつけていないとのことでした。


近所の小学生が、チビとよばれているこの子犬ともう一匹を引き取ったそうですが、その子の両親が
このボロボロのチビだけを戻しにきたそうです。


その場で、この子をうちの子にしよう!と決め、連れて帰ってきました。


それから14年と4カ月とちょっと、息子(犬)を殿と3人で暮らしてきました。
殿と二人きりになってしまい、ただただ泣いてばかりの生活になってしまいました。
最後を看とれなかった後悔に苦しめられていました。


そんな日々を過ごしていたのですが、37歳にして子供を授かりました。
息子(犬)がくれたんだ、とこれまた号泣でした。
しかし、一度確認できた心拍が止まってしまいました。
結果、流産でした。


今まで自分のことばかりで生きてきて、子供なんていらない、と思っていたのですが、
初めて妊娠して、何かが変わりました。
もう無茶なことはやめよう、と決め、子供を持とう、と決意しました。


とはいっても、年齢も年齢ですし、そんな簡単には子供はできないだろうと思っているなか、
偶然の出会いで、里親探しの犬の兄弟4匹に出会いました。
もう犬はいい、と思っていたのですが、殿は新しい犬を早く迎えたいと思っていたので、
兄弟のうち2匹を引き取ることにしました。
これがまたかわいくてかわいくて!
多頭飼いは初めてなのでてんやわんやでした。


新しい家族に夢中になり振り回され、気がつくと笑顔に戻っていました。
もちろん、息子(犬)を忘れたわけではありません。
息子(犬)が引き合わせてくれたんだ、と。


数ヵ月後、仕事を辞めてすぐに再び妊娠しました。
不安だらけでしたが、順調に育ってくれました。
初めての胎動は、息子(犬)の命日でした。
これまた大泣きでした。


犬2匹に囲まれ、幸せな妊婦生活を送っていたとき、
これまた偶然の出会いで1匹の黒猫を我が家に迎えることになりました。
体が弱っていて危険な状態でしたが、
知人に看ていただき、無事に成長しました。
殿は実家で猫を飼っていたので、自称猫使いでしたが、
ワタクシは初めての猫…どう扱ったらいいのか戸惑っていたのですが、
なぜだがこの黒猫たん、殿よりワタクシのことが好きなんです。
なんで?と不思議なのですが、かなり愛されております。
殿がショックを受けてしまいました。


そして今年、いろいろとあり命がけで出産しました。
初めて抱く我が子に愛おしさを戸惑いと、親になるって不思議です。
あんなに子供嫌いだった殿ですが、もうメロメロです。


今はまた働いています。
子供に犬に猫に、家の中はすっかり賑やかになりました。
息子(犬)が、パパとママがさみしくないようにと、してくれたんでしょう。


生と死に向き合った2年半でした。


畑はあいかわらず続けています。
妊娠中もでかい腹抱えながらやっておりました。
来年は殿ジュニアも一緒に野良仕事です。