思い出した記憶

こう天気が悪いと、思考回路がおかしなところにびゅーんと飛んで
しまいます。ま、いつもおかしいんですが。で、思い出したのが
たぶん幼稚園くらいの記憶。うちの母ちゃんは化粧命のオンナで
ございました。小さい子供がいるっていうのに、朝から念入りに
こってりとたっぷりと塗ったくって、それから外に出る人でした。
あの当時は多かったと思うけど、必ず友達に化粧品のセールスを
やってる人が一人や二人いたもので、母ちゃんもそんな人たちの
餌食でございました。今考えてみると、恐ろしい金額を使っていた
んだと思われ、ま、そのくらいしか楽しみがなかったんだろうけど。
そんなワシの楽しみは、母ちゃんの目を盗んで、化粧品を物色する
こと。口紅やらマスカラやらアイシャドウやら…顔中に塗って鏡を
覘いては「なんか違う…」「母ちゃんのようにできないよぉー」と
試行錯誤を繰り返し。そして母ちゃんが帰ってくる時間が近づくと
コールドクリームでしっかりクレンジングをしておりましたー
今よりずっとお手入れ上手だったかもしれないよ。で、そんなある日
化粧ケースに入っていた香水が目につきました。何を勘違いしたのか
冷蔵庫に冷やしてある化粧水と同じように使えばいいんだなーと、
たっぷり手にとって、顔面にバシャバシャ叩きこみましたーこれも
母ちゃんのマネ。吐き気のする恐ろしいニオイとアルコールのような
刺激で顔が一気に真っ赤になりまして、こりゃまずいぞーとあわてて
顔を洗ったのですが、後の祭りでございまして、顔面に湿疹がぶわー
っと広がり、家中にケバケバしい悪臭が広がってしまいました。
どうしよーどうしよーとおたおたしているうちに母ちゃんが帰宅。


「うわぁなんだこのニオイ!あんた何やったの」
「ぎゃーどうしたのーそのカオーーー」


「なんにもしてないよぉ…」


こってり怒られますた。で、現在は化粧も飽きてしまいましたのさ。
平気で汚い顔で歩いてます、やばそうなオンナと思われてるかも…