何を求めているのだ、自分

洗濯物を干していて、彼の上着の胸ポケットの膨らみに気がついた。


また何か入れたまま洗ってしまったわい、大事な書類でなければ
いいけど…


と、胸ポケットから取り出してみると、小さく折りたたまれた
水色のハンカチが出てきた。


なんだ、こりゃ、一度も見たことないぞ…えっ、まさか……
ぉぉぉぉぉオンナ?
(と、日曜9時放送中のドラマの飯島直子が浮かんできて…)
一方的に思われてる?そんなわけないな、ってことは…浮気!!!
ままま、、、まさか!


などと、ほんの一瞬の間に恐ろしいほどの妄想を展開しまくり、
心拍数を上昇させながら、折りたたまれたハンカチを開いてみた。



ん、あれ?長いぞこれ…










なーんだ、伊右衛門手ぬぐいかよ、つまんねーな


ま、考えてみれば、いや、考えなくても、そんな色気のある話が
彼に湧いてくるわけがないのだが。
だってだって、最近つまんなくってさー野良仕事もできないし、
無味無臭な生活でさー、刺激に飢えてるんだな、きっと。
さてさて、アイロンでもかけて差し上げましょうか。